マントル ランタン 放射線

ランタンマントルは放射線が出てるって本当?安全のための基礎知識

ランタンマントルから放射線が出てるって聞いたけど、危険じゃないの?

そんな疑問にお答えします。

キャンパーなら「ランタンのマントルは放射線が出ていて危険」という話を聞いたことがあるかもしれません。

実際に数年前までは放射性物質を含むマントルが販売されてましたが、現在(2022年時点)ではこのようなマントルは販売されていません。

私もマントルの放射線についての話を初めて聞いたとき「とても怖い」「すぐにマントルランタン使うのやめよう」ととても恐怖を感じたことを覚えています。

現在では放射性物質を含むマントルは販売されていないことを知って、安心してマントルランタンを使用しています。

しかし同時に、放射線についてほとんど知識がなかったので「どのくらい危険なものだったのだろうか」「なぜそんなものがつい最近まで使われていたのだろうか」などの疑問がわきました。

今回は、放射性物質を含むマントルと放射線の基礎知識について解説していきます。

 

昔のマントルには放射性物質が含まれていた!?

現在(2022年時点)日本で販売されているマントルに放射性物質が含まれているものはありません。

しかし、数年前まで微量の放射性物質を含むマントルが何の問題もなく販売されていて、アウトドアショップやネットショップで簡単に手に入りました。

マントルに含まれていた放射性物質とはどんなものだったのでしょうか。

ちなみに放射線を出す能力(放射能)をもつ物質を放射性物質と言うよ。

放射性物質トリウムとは

1886年、世界初のマントルが発明される

世界で初めてマントルを発明したのはオーストリアのカール・ヴェルスバッハという化学者です。

炎よりも明るいマントルは発明当初から重宝されましたが、この明るい光を出すための重要な成分が放射性物質トリウムです。

放射線が人体に与える影響が知られていなかったこともあり、発明から長い間トリウムがマントルに使われてきました。

1990年代半ば、コールマンがイットリウムに変更

放射線の人体への影響が徐々に一般にも知られるようになり、1990年代の米国ではアウトドアメーカー大手のコールマンが他社に先がけてトリウムの使用をやめました。

代わりに使用されたのがイットリウムやジルコニウムなどの非放射性の材料です

その後もトリウムを含むマントルが流通

しかし、放射線の危険性が世間で広く認知された後もトリウムを含むマントルが製造され続けます。

理由は3つあります。

  • 製造コストが安い
  • トリウムは代替物質よりも明るさを出せる
  • 違法ではない(マントルに含まれるトリウムの放射線は微量なため危険性が低いと判断される)

以上の理由から、マントルの製造にトリウムを使用するメーカーは米国内を含め依然として世界中に多数存在していました。

最近の研究でも微量の放射線が人体へどれだけ影響するか、因果関係をはっきりと判別できないようです。

2011年以降トリウムを含むマントルが市場から消えた

日本においても以前から放射線を出すマントルに対して問題視する意見がありましたが、長い間材料が変わることなく流通し続けました。

福島第一原発事故が転機?

2011年は多くの方が放射能汚染について敏感になっていた時期でした。

私の福島出身の友人も原発事故当時、放射線量を測る線量計を購入して実家の線量がどこでいくらだったかなどを話していたことをよく覚えています。

放射線について理解を深める実験なども小学生向けに盛んに行われましたが、その際の実験材料として使用されたのがトリウムを含むマントルです。

化学に詳しい人にとってマントルにトリウムが使われていることは有名だったみたいだね。

また、線量計で実際にマントルの放射線量を測って情報発信するキャンパーも増えました。

このように放射線に対する関心が高まっていたこともあり、今まで流通していたトリウムを含むマントルが2011年以降市場からどんどん姿を消していきます。

2022年時点で放射線を出すマントルを手に入れるのは、ほぼ不可能な状況です。

今では放射線が出ているかどうか気にせずに、安心してガスやガソリンなどのマントルランタンを使用できますよ。

フリーマーケットなどで中古品として昔のトリウムマントルを見かけることがあるかもね。

放射線の危険がなければマントルランタンはキャンプに1つは持っていきたいですよね。

他のランタンにはない独特な雰囲気やメインランタンとして最適な明るさがあります。

ここでおすすめのマントルランタンを2点だけご紹介します。

2500ノーススターLPガスランタン(コールマン)

 

[出典引用: コールマン公式ホームページ]

初めてのマントルランタンなら、ぜひおすすめしたいのがこの2500ノーススターLPガスランタン。

約1,543ルーメンの圧倒的明るさはメインランタンに最適です。

とても使いやすくて、初心者からベテランキャンパーまで幅広い層から愛されている人気ガスランタンです。

ノーススター チューブマントルランタン(コールマン)

[出典引用: コールマン公式ホームページ]

こちらはキャンパー憧れのノーススターチューブマントルランタン。

2500ノーススター以上の明るさを持ちながら、暖色系の包み込むような光を出せます。

このガソリンランタンは価格が高めで操作もガスランタンに比べると大変ですが、キャンプに慣れてきたら購入を考えたい逸品ですね。

ガソリンランタンとガスランタンは本当に必要?愛用され続ける理由

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放射線量の基礎知識について学ぶ

現在販売されているマントルは放射性物質が含まれていませんが、以前のマントルはどのくらいの放射性を持っていたのでしょうか。

正確には分かりませんが、トリウムを含むマントルの放射線量は1つあたり0.15μSv/h~20μSv/hと様々だったようです。

もっと強い放射線を発する製品があったかもしれませんが、マントル1つ20μSv/hと仮定して説明していきます。

1時間あたり20マイクロシーベルト(20μSv/h)とはどのくらいの強さ?

放射線量を表す単位はSv(シーベルト)を使います。

1Sv = 1,000mSv = 1000,000μSv

※mSv(ミリシーベルト)、μSv(マイクロシーベルト)と読みます。

ゼロが多すぎて混乱してしまいますね。

Sv(シーベルト)はとても高い放射線量であまり日常で使うことがないので、よく使うmSv(ミリシーベルト)とμSv(マイクロシーベルト)だけで考えていきます。

1mSv = 1,000μSv

例えば、病院での胸部X線検査は1回で約60μSv(0.06mSv)の放射線を受けます。

一方で、マントルの放射線量はどうでしょうか。

マントルから放射線を受けるのは直接手で触れる空焼きのとき。

空焼きは5分もかからない作業なので、約1.7μSv(0.0017mSv)ほどです。

20μSv/h(1時間あたり20マイクロシーベルト)はそれほど高くないように思えますね。

トリウムの放射線はアルファ線

加えて、トリウムから発せられるのはアルファ線です。

アルファ線は人間の皮膚も完全に通せないくらい弱い透過力の放射線です。

紙1枚あればさえぎることができる放射線とも呼ばれています。

よって、空焼きしたマントルを通常ガラスホヤ内で保管することを考えると、やはり空焼きで直接手で触れる時以外に放射線を受ける心配は少なそうですね。

誤って口から飲み込んでしまった場合はとても危険ですが。

放射線にはアルファ(α)、ベータ(β)、ガンマ(γ)、エックス(x)の4種類があるよ。

トリウムを含むマントルの放射線の強さは大体分かりましたが、放射線はどのくらい受けて大丈夫なのでしょうか。

上限は年間追加被ばく量1mSv以下

私のように「放射線」と聞くと即座に「危険なもの、避けるもの」と頭に浮かぶ方も多いと思いますが、実は放射線はとても身近な存在です。

人体が放射線を受けることを被ばくといいますが、私たちは特別なことをしなくても食べ物や地面などから毎日微量に被ばくしています。

[出典引用: 環境省ホームページ]

画像を見るといろいろなものから日々微量の放射線を受けていることが分かります。

世界平均と比べて、日本では医療被ばくが多いんだね。

日常生活での被ばくは、主に2つです。

  • 自然被ばく(食品や地面などからの自然放射線によるもの)
  • 医療被ばく(CT検査やX線検査などの人工放射線よる)

自然被ばくは日常生活で自然に受けるもの、医療被ばくは必要性があって受けざるを得ないものいった感じでしょうか。

この2つ以外で被ばくした場合を追加被ばくといい日本では上限を年間で1mSv(1,000μSv)以下と法律で定められています。

ちなみに胸部のCT検査1回の被ばく量は2.4~12.9mSvと高め。

画像の日本の医療被ばくの平均が世界平均より高めになっている理由と考えられます。

追加被ばく量1mSv以下でもなるべく放射線は避ける

年間追加被ばく量の1mSv(1,000μSv)は上限に余裕があるように感じられる方もいるかもしれません。

しかし、微量でもなるべく放射線に触れる行為は避けたほうがいいでしょう。

白血球の減少やがんといった深刻な症状は100mSv以上でないと放射線被ばくによるものと診断できないからです。(100mSvはかなりの放射線量なので、日常生活で受けることはまずありません。)

裏を返すと仮に100mSvに満たない一定量の放射線を受けて病気になった場合でも、放射線が原因だと断定できないということでもあります。

100mSv以下では人体への影響がはっきり分からないですが、影響がないとも言い切れません。

日常生活ではなるべく放射線を受けないように気をつけたいですね。

 

安全性が気になるなら実際に測定してみよう

現在トリウムを含むマントルは販売されていませんが、放射性のあるマントルを本当に自分が使っていないかどうか気になりませんか。

私は心配性なので気になってしまいました。

放射線量の測定と聞くとなんだか難しそうですが、ボタン一つで簡単に放射線量を調べることができる線量計があるんです。

エアカウンターS(エステー)の線量計

[出典引用: Amazon]

線量計は高額で操作が難しいものが多いのですが、エアカウンターSはボタン一つで1分もかからずに測定できます。

価格もリーズナブルです。

初めてエアカウンターSを使ったとき「こんな簡単に放射線量って測れるのか」と驚きました。

あまりに操作が簡単なので、線量計ではなく単なる体温計じゃないかと本気で確認したほどです。

放射線の種類など細かい測定はできませんが、手軽に線量を測れるのでとても便利ですよ。

URL: エアカウンターS

 

ランタンマントルは放射線が出てるって本当?安全のための基礎知識: まとめ

微量とはいえ、放射性物質を使用したマントルが数年前まで販売されていたことを知ったとき大変ショックを受けました。

普段から自分が使っている身の回りのものについて知ろうとする心がけを大事にしたいですね。

現在販売されているマントルには放射性物質が含まれていないので安心して使うことができます。

マントルランタンを思う存分に使って、キャンプの夜を特別なものにして下さい。

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