容器に入れる必要ってあるの?
このような疑問にお答えします。
確かに容器に移し替える手間を考えると、ランタンの燃料タンクに入れたまま移動したいですよね。
しかし答えはNOです!
灯油は引火性の液体の為、こぼれるや引火するという危険性があります。
もしも燃料タンクに灯油を入れたオイルランタンが、車内で移動中に倒れた場合を想像してみて下さい。
まず、オイルランタンから灯油が漏れて、他の荷物や車内を濡らしてしまいます。
当然荷物はビショビショで車内は灯油の匂いが充満しますよね。
これだけでかなりショッキングな事態ですが、もしタバコの火が引火したら大惨事!
あくまで最悪の場合ですが、起こる可能性は十分にあるので注意が必要です。
せっかくのキャンプを楽しむ為にも必ず灯油は容器に入れて運びましょう。
ではどうして専用の容器でないといけないのか、どんな容器が適しているのかなど気になるところを詳しく紹介していきます。
この記事を読むことで灯油に適した容器が分かり、安全に灯油を運搬することが出来ますよ!
目次
ランタンに灯油を入れたままの移動がNGな理由
冒頭でお伝えしたような大惨事にまでいかなくても、車で移動中ランタンからのオイル漏れを経験した人は少なくありません。
そもそもなぜランタンからオイルが漏れてしまうのでしょうか。
オイルランタンの構造が関係している?
灯油やパラフィンオイルを燃料とするオイルランタンは、フェアーハンド式のハリケーンランタンが主流です。
ハリケーンランタンは構造上、燃料タンクやフレームが完全に密着していません。
その為傾いたり倒れたりするような運搬時は燃料タンクを空にする必要があるんです。
灯油をプラスチック容器やペットボトルに入れると変形してしまう恐れがあります。
では灯油にはどのような容器が適しているのか詳しく見ていきましょう。
灯油の特性を知ろう
灯油を扱う前に知っておくべきことがあります。
灯油は消防法により危険物に指定されている
ストーブやヒーターの燃料として家庭でも使われている灯油は、身近な生活用品として扱われがちですが、消防法では危険物として指定されているんです。
消防法の危険物は第1類~第6類まであり、灯油のような引火性液体は第4類に分類されます。
第4類の危険物は、消防法別表では次のように規定されています。
種目 | 性質 |
特殊引火物 | 発火点100℃以下、または引火点-20℃以下で沸点40℃以下 |
第1石油類 | 引火点21℃未満 |
アルコール類 | 1分子中の炭素の原子数が1個~3個までの飽和一価アルコール(変性アルコールを含む) |
第2石油類 | 引火点21℃以上70℃未満 |
第3石油類 | 引火点70℃以上200℃未満 |
第4石油類 | 引火点200℃以上 |
動植物油類 | 動物の脂肉等または植物の種子や果肉から抽出した物質 |
出典引用:日本メックス株式会社HP
灯油の引火点は40℃~60℃なので第4類「第2石油類」の危険物に指定されます。
ガソリンは「第1石油類」、パラフィンオイルは「第3石油類」になります。
気になりますよね。早速見ていきましょう!
灯油の引火点や揮発性も容器の必要性に関係してる?
引火点とは可熱性物質が空気中で発火するのに必要な濃度の蒸気を発生する最低温度。
揮発性とは常温での気体の気化率(蒸発率)を言います。
「灯油」「ガソリン」「パラフィンオイル」の3点で比較して見ましょう。
引火点 | 揮発性 | |
灯油 | 40℃~60℃ | 低い |
パラフィンオイル | 95℃以上 | なし |
ガソリン | マイナス40℃以下 | 高い |
灯油は、ガソリンに比べると引火点もはるかに高く、揮発性も殆んどありません。
自宅でストーブに灯油を入れてる際に時々床に垂らしてしまった経験はありませんか?
その時に突然発火する可能性があるものだとしたら恐ろしくて使えないですよね。
灯油は常温の何もない場所で突然発火することはありません。
問題はその場に火元があった場合に引火するという事です。
ただ、引火点が40℃なので夏場の車内など高温になる場所に放置する場合は引火につながる可能性があるので注意が必要です。
引火点が低く気化しやすいガソリンは、オイルランタンには絶対に使用しないでください。
因みに今回比較したパラフィンオイルとは、灯油と同じくオイルランタンの燃料で、ロウソクのロウを常温で液状にしたものです。
匂いやススが出にくいので灯油に比べて扱いやすいですよ。
パラフィンオイルに興味がある方はこちらの記事を参考にしてくださいね。
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このように灯油は消防法により「第4類危険物第2石油類」に指定されている為、専用の容器に入れて運搬しなくてはならないという事が分かりました。
ここからは灯油の専用容器について見てみましょう。
灯油の運搬に適した専用容器とは?
灯油の運搬にはポリエチレン缶や金属製などの容器が適しています。
出来れば燃料の出し入れやすい容器が良いですね。
危険度が高いガソリン用なので灯油を入れても大丈夫です。その場合は必ずガソリンと分けて(灯油と明記)間違わないように注意してくださいね。
では早速灯油の運搬に適した容器を見てみましょう。
瑞穂化成 扁平缶 ノズル無 20L カラーポリタンク
出典引用:Amazon公式サイト
以前キャンプ場でこちらのポリタンクを見かけたことがありました。
見慣れたポリタンクでもこんなポップカラーなら気分も上がりそうですね!
10通りのカラーバリエーションが楽しめます。
キャンプで石油ストーブを使うこれからの季節にはオイルランタンと燃料が共用できて便利ですよ。
タンゲ化学工業 灯油缶 10L
出典引用:Amazon公式サイト
灯油と軽油の両方使えるタンクです。
我が家では灯油用として愛用しています。
安全性にこだわって日本製の消防法適合表示商品を選びました。
落ち着いた色で使いやすいところが気に入っています。
始めてキャンプに持って行った時、友人からカッコイイネ!と褒められて気分が良かったです。
trangia トランギア フューエルボトル
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見た目がスタイリッシュで持っているだけでも気分が上がりますよ。
蓋がセーフティーバルブになっていて、高品質な点もいいですね。
何度も借りているので、そろそろ自分で購入しようと思っています!
メルテック ガソリン携行缶 アルミボトルタイプ 1L
出典引用:Amazon公式サイト
こちらは私が最近気になっている商品です。
見た目も大事ですが、やはり灯油を入れる容器なので安全性を重視したいですね。
消防法適合品なので安心ですし、何よりもカラビナ付きの収納袋が付いているのがありがたい!
1Lサイズなのでオイルランタン用にもちょうどいいですよ。
ランタンに使う灯油の持ち運びに専用容器は絶対必要?その理由を解明!:まとめ
- オイルランタンの運搬の際は燃料漏れを防ぐ為、燃料タンクは空にする事。
- オイルランタンの燃料タンクは構造上、完全な密着状態はない。
- 灯油は消防法により危険物に指定されている。
- 灯油に適した素材の容器で運搬することが必要。
- 灯油はガソリン携行缶の使用も可能だがガソリンと混合しないように注意。
今回はオイルランタンの燃料漏れや灯油の危険性などを紹介しました。
この記事を読んで、灯油を容器に入れて持ち運ぶ必要性が分かっていただけたら幸いです。
灯油の扱いを把握してキャンプをより安全に楽しんで下さいね!
間違ってもオイルランタンにガソリンは使わないでくださいね。