そんな疑問にお答えします。
マントルランタンの光って魅力的ですよね。
独特の光でキャンプの夜に彩りを与えてくれます。
初めてマントルランタンを使ったとき、「火をつけて一度灰になったものが光り輝くなんて不思議だな~」と感じました。
どんな仕組みでこんなに光るのだろうかと思いました。
今回はそんな不思議なマントルの仕組みについて解説します。
知っておくとキャンプ仲間との話の種になるかもしれませんよ。
後半ではおすすめのマントルランタンも紹介しますね。
目次
マントルの仕組み
マントルはオーストリアの化学者カールスウェルバッハによって発明されました。1886年には特許も取得しています。
さまざまな試行錯誤の末、現在使われているようなマントルの材料や形が確立されました。
[出典引用: コールマン公式HP]
網状のマントルの布地には木綿や化学繊維が使われていて、その布地には化学薬品が染み込んでいます。
この化学薬品の中には、大まかに言うとマントルを固形物に変化させる物質と発光させる物質が含まれています。
マントルを酸化固形物にする物質
マントルを使うためには火をつけて必ず空焼きを行います。
火をつけると布地の繊維が燃えつきると同時に、マントルを固形物にする物質「硝酸塩」が熱で化学反応を起こしてマントルの形の固形物に変化します。
これでみなさんもよく知っているあのもろくて壊れやすいマントルの完成。
固形物といっても指でつついただけでも簡単に壊れてしまいます。
ちなみに発明当初はあらかじめ固形物にした状態のマントルが販売されていた時期があったそうです。
しかし、網状の固形物は構造上壊れやすかったので、折りたためて保管と持ち運びに便利な現在の布地のマントルが定着しました。
熱で光る物質
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上の写真を見ると改めてマントルの光の強さに驚かされます。
火をつけて完成した固形物(空焼きしたマントル)には発光体となる物質が含まれています。
発光体となるのは例えばトリウムやイットリウムなどの物質。
これらの物質がランタンのガスやガソリンによってつくられる炎の熱に反応することで光り輝きます。
仕組みが分かっても、熱せられるだけであんなに光るなんてやっぱり不思議。
放射性物質トリウム
発明者のカールスウェルバッハはさまざまな物質を発光体として試しましたが、最後にはトリウムを主成分としたマントルに行き着きました。
長い間使われていた放射性物質トリウム
マントルの明るさを出すために使われたトリウムですが、実は放射性物質です。
放射性物質入りのマントルなんてぞっとしますよね。
発明当初の時代は、放射線の人体への影響などの研究が進んでいなかったので長い間トリウムが問題になることはありませんでした。
現在では使われなくなったトリウム
放射性物質について一般にあまり知られていなかったことや製造コストが安価なことから長い間トリウムがマントルに使われてきました。
ほんの数年前まで放射性物質を含むマントルが使われていたなんて驚きです。
微量で人体への影響はほとんどないとはいえ、ちょっと怖い話ですよね。
現在のマントルにはトリウムではなく、イットリウムやジルコニウムなどの物質が発光体として使われています。
放射線が出ているマントルは今では販売されていないので、安心してマントルランタンを使うことができます。
おすすめのマントルランタン
マントルランタンの一番の持ち味はメインランタンにぴったりの強力な明るさ。
マントルランタンは主にガスランタンとガソリンランタンの2種類です。
まずはガスランタンのおすすめからご紹介します。
フィールド ガスランタンL(キャプテンスタッグ)
[出典引用: Amazon]
マントルランタンの中でもガスランタンは操作が簡単な点が良いところです。
メンテナンスの手間もほとんどありません。
弱点はガソリンのような液体燃料を使うランタンより燃費が悪いことです。
悪いといってもガス缶1つで約5~7時間使えるので(使う明るさによります)、初心者の方やキャンプの回数があまり多くない方におすすめです。
このフィールドガスランタンLの明るさは150W。
メインランタンとして大活躍してくれますよ。
大光量マントルランタンは本体価格が高いものが多いのですが、こちらは価格がお手頃なのもおすすめの理由です。
2500ノーススターLPガスランタン(コールマン)
[出典引用: Amazon]
2500ノーススターはコールマンの定番ガスランタン。
明るさは1,573ルーメン(200W相当)と圧倒的です。
使いやすくデザイン性もあるので、1つ目のマントルランタンにおすすめしたい逸品。
フィールドガスランタンと1、2を争う人気のガスランタンです。
初心者だけでなくベテランキャンパーにも愛用されています。
ノーザンノバ(コールマン)
[出典引用: Amazon]
マントルを2つ装着するガスランタンで明るさは2500ノーススターの約2倍の3,000ルーメン(400W)。
ガスランタンでトップの明るさです。
とにかく明るさを求める方におすすめ。
折りたためる足がついているので、地面に置いても安定性抜群です。
次はガソリンランタンをご紹介します。
ノーススター チューブマントル(コールマン)
[出典引用: Amazon]
明るさは約230Wと大光量ながら、ガソリンランタン特有の暖色系の光はキャンプの夜に彩りを与えます。
難点はガソリンランタン特有のポンピング(加圧)やメンテナンスといった手間がかかること。
キャンプに慣れてきたら購入を検討したいベテランキャンパーの証ともいえるランタンです。
ペトロマックスHK500
[出典引用: Amazon]
こちらのペトロマックスHK500の明るさはなんと400W。
最も明るいマントルランタンの1つです。
このランタンは使い方や構造はガソリンランタンに似ていますが、実は燃料に灯油を使う点が大きく異なります。
マントルを使う「加圧式ランタン」はガソリンランタンとケロシンランタン(灯油)がありますが、「加圧式」のケロシンランタンは日本であまり流通していません。
加えてガソリンランタンと同じく手間がかかって本体価格もトップクラスなので、初心者の方にはあまりおすすめできません。
しかし、それでも唯一無二の明るさと光の雰囲気はキャンパー憧れのランタンです。
ランタンのマントルが光る仕組みとは?キャンプが楽しくなる豆知識: まとめ
マントルの仕組みまとめ
- マントルに含まれる発光物質が炎の熱に反応して光を放つ
- 過去には発光体に放射性物質トリウムが使われていた
- 現在では放射性物質を含むマントルは販売されていない
- 現在使われている発光体はイットリウムやジルコニウム
キャンプに慣れてくるとランタンなどの道具についてもっと知りたいという気持ちも高まっていきますよね。
こんなあなたはもうキャンプ沼にどっぷりつかったベテランキャンパーです(笑)。
仲間や家族と語り合い、時にはソロキャンプをしながらお気に入りのマントルランタンを使ってキャンプの夜をもっともっと究めていきましょう。